100兆円の基礎知識

桁数

「100兆」を紙に書くと、1が1個と、ゼロが14個。15桁になります。 100,000,000,000,000円です。
一般的な電卓はだいたい、8桁から10桁くらいの表示。
100兆円の使い方を計算するには少しばかり力が及びません。

Windows のアクセサリに「電卓」がありますよね。
これは、32桁まで数値の入力と計算ができます。
32桁: 50000000000000000000000000000000 。漢数字で表すと「5溝」です。
これなら十分、100兆円使うための見積計算ができそうです。
MS-Excel では、9.99999999999999E307 まで数値を扱うことができるそうです。要するに、有効桁数は 15 桁ってことですね。おお、ぴったり100兆の位まで計算できるではありませんか。うっ、ってことは単純な四則演算だったらアクセサリの電卓の方が計算できる範囲が広いってことか。。。

え?Accessの話をしておかなくてもいいのかって?ここではAccessのことは忘れたいんですが・・・
そうもいかないか。えーと、テーブルで使用できる数値型のうち、もっとも精度の高いDouble型のフィールドで扱える数値は 1.79769313486231E308 まで。有効桁数はExcelと同じく15桁ですが、Excelのほうがちょっとだけ計算可能な範囲が広いみたいですね。
・・・電卓使いますから、いいですよ・・・ExcelのこともAccessのことも、一瞬だけ忘れましょう。

枚数・重さ

電子マネーが主流の現代ではありますが、それがモトで金融危機に陥ってる気がするんですよね。せめて想像の中だけでも、現金主義でいきたいものです。
100兆円、日本の現在の貨幣で考えると、どのくらいの「カサ」になるのでしょう。
まず、枚数について考えてみました。

  • 一万円札 10,000,000,000枚(100億枚)
  • 五千円札 20,000,000,000枚(200億枚)
  • 二千円札 50,000,000,000枚(500億枚)
  • 千円札 100,000,000,000枚(1000億枚)
  • 500円玉 200,000,000,000枚(2000億枚)
  • 100円玉 1,000,000,000,000枚(1兆枚)
  • 50円玉 2,000,000,000,000(2兆枚)
  • 10円玉 10,000,000,000,000(10兆枚)
  • 5円玉 20,000,000,000,000(20兆枚)
  • 1円玉 100,000,000,000,000(100兆枚)

すごい枚数だな・・・。
続いて重さについてですが、まず、一万円札の新札1枚の重さはおおよそ1グラムだそうなんですが、1000万円で1.05kgなるそうです。 一億円で10.5kgになりますね。五千円札や千円札は一万円札より少し軽いのではないかと思いますが、お札の正確な重量を知るのは難しそうなので今後の課題にするとして・・・こういう場合は硬貨のほうが簡単に計算できそうです。
500円玉は7グラム、100円玉は4.8グラム、50円玉は4.0グラム、10円玉は4.5グラム、5円玉は3.75グラム、そして1円玉は1.0グラム・・・ということで・・・・・・・

  • 一万円札 10,000,000,000枚(100億枚) => 10,500,000kg (10,500トン)
  • 500円玉 200,000,000,000枚(2000億枚) => 1,400,000,000,000グラム (140万トン)
  • 100円玉 1,000,000,000,000枚(1兆枚) => 4,800,000,000,000グラム (480万トン)
  • 50円玉 2,000,000,000,000(2兆枚) => 8,000,000,000,000グラム (800万トン)
  • 10円玉 10,000,000,000,000(10兆枚) => 45,000,000,000,000グラム (4500万トン)
  • 5円玉 20,000,000,000,000(20兆枚) => 75,000,000,000,000グラム (7500万トン)
  • 1円玉 100,000,000,000,000(100兆枚) => 100,000,000,000,000グラム (一億トン)

えらいこっちゃ。一万円札でも一万トン以上になるのか。家の床が抜ける。

体積

では、体積はどうかというと・・・新札の一億円の束は、縦32cm、横38cm、高さ10cmあるそうです。刑事ドラマなどでジュラルミンのケースに入った一億円の束、何度か見たことありますが、まあだいたいどれくらいの大きさかイメージできます。数値にすると12160立方センチメートル。この束が100万個あれば100兆円になります。
とすると、100兆円の札束の体積は12160立方メートル。縦100倍、横100倍、高さ100倍と考えてよさそうなので、縦32メートル、横38メートル、高さ10メートルの立方体ということになりますね。床面積だけで考えれば368坪ほどになりますか。野球のグラウンドの塁間が約27.4mなので、内野の守備部分くらいの広さがあれば、10メートルほど積み上げて保管することができそうです。しかしまあ、野ざらしというわけにはいかないので、床面積400坪くらいで、10メートルくらいの高さのものが保管できる倉庫をひとつ用意しておかないとなりません。
うちには入りきらないなぁ。

大きさがイメージできないですか?じゃあ、体積の比較をするときの定番、霞ヶ関ビルで考えてみましょう。
地上36階、地下3階、地上高147mの 霞ヶ関ビルの体積は約50万立方メートルと言われているそうで(もっと多いという説もあるらしいですが)、100兆円の体積の約41倍です。なんだ、100兆円も霞ヶ関ビルと比べるとまだまだですね。
そうすると、霞ヶ関ビルには一億円の束が41118421個とちょぴっと入る計算になるので、霞ヶ関ビルと同じ大きさにお札を積み上げると4118兆円とちょっとになるんですね。さすが霞ヶ関ビル。
霞ヶ関ビルで体積を換算するあたり、年齢が伺えます。我ながら。最近のコは東京ドームで比較するのかしら。

とにかく、100兆円を現金で保有するのであれば、できるだけ一万円札で。400坪くらいの床面積で10メートルの高さのものが保管できる大きな倉庫が必要です。

比較

えーーーー兆の付く単位のお金というと、最近ではどうしても負の方向ばかりが目立ちますが・・・日本の国の借金が843兆円とか、アメリカの累積赤字が5910兆円に達したとか、ついこの間ニュースで・・・。ううう、100兆円全部使っても返せないじゃないですか。気持ちが沈む・・・

昔はこの手の企画ってだいたい、「100億円」が単位だったんですよね。でも、だんだん、億の単位のお金のやり取りなんて、そうそう浮世離れという感じでもなくなってきて、なんとなく、「現実離れした額でゴロのいいやつ」となると、100兆円あたりかなぁ、って思われるようになってきたんじゃないかって思うんですよね。いっちょうえん、じゅっちょうえん、せんちょうえん・・・うーん、やっぱり、ひゃくちょうえんってのが一番、響きがいいというか、なんとなくかわいらしく聞こえるような気がするので・・・。

2001年2月作成 2008年11月加筆